奈良の紅葉名所15選!見頃時期・ライトアップ・穴場スポットまで完全ガイド

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燃えるような紅葉に彩られた古刹の伽藍、黄金色の絨毯を敷き詰めたかのような銀杏並木、そしてその中で静かに佇む鹿の群れ。古都・奈良の秋は、日本の原風景ともいえる情景が広がる特別な季節です。1300年の歴史が息づくこの地では、世界遺産の建築物と自然が織りなす、他では見ることのできない壮麗な紅葉の絶景に出会うことができます。

奈良県の紅葉シーズンは長く、地域によって見頃が異なるのが大きな特徴です。標高の高い山岳地帯では10月中旬から色づきが始まり、奈良盆地の社寺では12月上旬まで楽しむことができます。このため、訪れる時期に合わせて最適な紅葉スポットを選べるのが奈良の秋旅の魅力です。

目次

エリア別・時期別 奈良の紅葉見頃カレンダー

奈良県の紅葉は、標高差によって見頃の時期が大きく異なります。まず、標高1,695mを誇る大台ヶ原のような吉野熊野国立公園内の山岳地帯で10月中旬にシーズンが幕を開けます。その後、紅葉前線は徐々に標高を下げ、吉野山、宇陀・桜井エリアへと移り、最後に奈良公園を含む奈良盆地が11月中旬から12月上旬に見頃のピークを迎えます。

奈良県主要紅葉スポット見頃時期・特徴 早見表

スクロールできます
スポット名エリア例年の見頃時期特徴
大台ヶ原吉野エリア10月中旬~10月下旬奈良で最も早く紅葉が始まる。断崖絶壁からの大パノラマ。
吉野山吉野エリア10月中旬~11月下旬桜紅葉と楓紅葉のグラデーション。世界遺産の山全体が染まる。
みたらい渓谷吉野エリア11月上旬~11月中旬エメラルドグリーンの渓流と紅葉のコントラストが絶景。
曽爾高原宇陀エリア(ススキ) 10月上旬~11月下旬黄金色に輝くススキの海が広がる。夕景は必見。
室生寺宇陀エリア11月中旬~12月上旬「女人高野」の静寂。国宝五重塔と紅葉の調和が美しい。
談山神社桜井エリア11月中旬~12月上旬「関西の日光」。木造十三重塔を約3,000本のカエデが彩る。
長谷寺桜井エリア11月中旬~12月上旬「花の御寺」。舞台造りの本堂から見下ろす紅葉の海は圧巻。
正暦寺奈良市11月中旬~12月上旬「錦の里」と称される紅葉の隠れた名所。約3,000本のカエデ。
円成寺奈良市10月下旬~11月下旬平安時代の浄土式庭園。池に映る「逆さ紅葉」が風流。
奈良公園奈良市10月下旬~12月上旬鹿と紅葉の共演。広大な敷地内で多様な紅葉が長く楽しめる。
竜田公園斑鳩エリア11月中旬~12月上旬百人一首「ちはやふる」の舞台。竜田川を彩る紅葉が有名。
岡寺明日香エリア11月中旬~12月上旬三重宝塔へ続く「もみじのトンネル」が見どころ。
壷阪寺高取町11月中旬~12月上旬天竺渡来の大仏と紅葉が織りなすエキゾチックな風景。

奈良の秋を象徴する王道紅葉名所7選

まずは、奈良の紅葉といえば誰もが思い浮かべる定番の名所をご紹介します。これらのスポットは、「奈良 紅葉 名所」という検索ボリュームの大きいキーワードで常に上位に表示される場所であり、その人気には確かな理由があります。歴史的建造物と自然が織りなす圧巻の景観は、一度は訪れる価値のあるものです。

奈良公園

古都・奈良のシンボルであり、約1,200頭の野生の鹿が自由に闊歩する広大な公園です。総面積約660ヘクタールにも及ぶ敷地には、モミジやイチョウ、サクラなど多様な樹木が点在し、10月下旬から12月上旬まで長期間にわたって紅葉のリレーが楽しめます。常緑の春日山原始林を背景に、赤や黄に染まる木々と鹿が織りなす風景は、奈良でしか見ることのできない唯一無二のものです。

浮見堂(うきみどう)

鷺池に浮かぶ檜皮葺きの六角堂。水面に映るお堂と紅葉のコントラストは息をのむ美しさで、絶好のフォトスポットとして知られています。

吉城川(よしきがわ)沿い

東大寺の南を流れる小川の両岸にはモミジが密集しており、紅葉のトンネルのような景色を楽しめます。

大仏池(だいぶついけ)

東大寺大仏殿の北西に位置する池の周りにはイチョウの大木があり、最盛期には地面が黄金色の絨毯で覆われます。

水谷茶屋(みずたにちゃや)

春日大社の北側、若草山の麓にある茅葺き屋根の茶屋。小川のせせらぎを聞きながら、日本の原風景のような紅葉が楽しめます。

若草山(わかくさやま)

山頂からは奈良公園全体と奈良市街を一望でき、夕日に染まる紅葉のパノラマは格別です。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 10月下旬~12月上旬
  • ライトアップ │ 基本的になし。ただし、夏から秋にかけて「ライトアッププロムナード・なら」が開催され、浮見堂や興福寺五重塔などが照明で照らされます。
  • アクセス │ JR奈良駅、近鉄奈良駅から徒歩約5分~20分、または市内循環バス利用。
  • 駐車場 │ 奈良登大路自動車駐車場(有料275台)など周辺に有料駐車場が多数ありますが、週末は大変混雑するため公共交通機関の利用を推奨します。
  • 料金 │ 公園への入場は無料。

談山神社

桜井市多武峰(とうのみね)の山中に佇む、大化の改新ゆかりの神社。「関西の日光」とも称される壮麗な社殿と、世界唯一とされる木造十三重塔があります。朱塗りの建築物と燃えるような紅葉のコントラストは、まさに絵巻物のような美しさです。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月上旬
  • ライトアップ │ あり。2024年は11月16日(土)から12月1日(日)の期間で実施予定。詳細は公式サイトで要確認。
  • アクセス │ 近鉄・JR桜井駅南口からバスで約25分、「談山神社」下車。
  • 駐車場 │ 有料駐車場あり。紅葉シーズンは特別料金が設定され、大変混雑します。
  • 拝観料 │ 大人600円、小学生300円。

長谷寺

「花の御寺」として四季を通じて多くの参拝者で賑わう長谷寺。秋には、本堂へと続く399段の「登廊(のぼりろう)」を登りきった先にある舞台造りの本堂から、錦に染まる渓谷を一望できます。眼下に広がる紅葉の海は、まさに圧巻の一言。夕暮れ時には、西日に照らされて一層幻想的な光景が広がります。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月上旬
  • ライトアップ │ 【注意】鎌倉の長谷寺では紅葉ライトアップが有名ですが、奈良の長谷寺では例年、大規模な夜間特別拝観は行われていません。イベント等は公式サイトで確認が必要です。
  • アクセス │ 近鉄大阪線「長谷寺駅」から徒歩約15分。
  • 駐車場 │ 門前町に有料駐車場あり。
  • 入山料 │ 大人500円、小・中学生250円。

吉野山

春の桜で世界的に有名な吉野山ですが、秋の紅葉もまた格別です。約3万本といわれる桜の葉が色づく「桜紅葉」は、赤や橙、黄色が混じり合った優しい色合いで山肌を染め上げます。その後、カエデ類が鮮やかな赤色に染まり、山は二度目の見頃を迎えます。標高差があるため、山頂の奥千本から麓の下千本へと、長期間にわたって紅葉前線が下りてくるのを楽しめます。

見どころ

高城山展望台や花矢倉展望台からは、眼下に広がる紅葉の壮大なパノラマを一望できます。また、世界遺産の金峯山寺や吉水神社周辺の紅葉も、歴史的建造物との調和が見事です。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 10月中旬~11月下旬
  • ライトアップ │ あり。下千本公園や金峯山寺周辺など広範囲で実施。2024年は10月24日(金)から11月30日(日)の16:30~22:00に点灯予定。
  • アクセス │ 近鉄吉野線「吉野駅」からロープウェイで「吉野山駅」へ。山上は徒歩またはバスで移動。
  • 駐車場 │ 下千本エリアに大規模な有料駐車場(吉野山観光駐車場・約400台)あり。紅葉シーズンの土日祝は特別料金(1,000円)が設定されます。
  • 料金 │ 山への入場は無料(各社寺の拝観は別途有料)。

室生寺

奈良と三重の県境に近い山深い地にあり、女性の参拝を許したことから「女人高野」として親しまれてきました。杉木立に囲まれた静寂な境内は、秋になるとモミジやイチョウで鮮やかに彩られます。特に、鎧坂の石段と紅葉、そして国宝に指定されている屋外の五重塔としては日本最小の優美な五重塔と紅葉の組み合わせは、多くの写真家を魅了する風景です。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月上旬
  • ライトアップ │ あり。2024年は11月の土日祝を中心に夜間特別拝観を実施予定。詳細は公式サイトで要確認。
  • アクセス │ 近鉄大阪線「室生口大野駅」からバスで約15分、「室生寺前」下車、徒歩5分。
  • 駐車場 │ 周辺に有料駐車場あり。
  • 入山料 │ 大人600円、子供400円。

みたらい渓谷

大峰山の麓、天川村に位置するみたらい渓谷は、エメラルドグリーンに輝く神秘的な淵と、大小様々な滝、巨岩が織りなすダイナミックな景勝地です。川沿いには遊歩道が整備されており、吊り橋の上から見下ろす紅葉の絶景はまさに圧巻。「近畿随一の美しさ」とも称される、自然の造形美を心ゆくまで堪能できます。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月上旬~11月中旬
  • ライトアップ │ なし。
  • アクセス │ 近鉄吉野線「下市口駅」から奈良交通バスで約1時間、「天川川合」下車、徒歩約45分。アクセスには時間がかかるため、計画的に訪れる必要があります。
  • 駐車場 │ みたらい休憩所や観音峯登山口休憩所などに駐車場あり(一部有料)。紅葉シーズンは混雑必至です。
  • 料金 │ 無料。

大台ヶ原

奈良県と三重県の県境に広がる、日本百名山の一つ。標高が高いため、奈良県内で最も早く紅葉が始まります。手付かずの原生林が広がり、断崖絶壁から眼下の渓谷を見下ろす「大蛇嵓(だいじゃぐら)」からの眺めはスリル満点。ブナやミズナラ、カエデなどが色づく様は、まさに大自然のアートです。本格的な登山から手軽なハイキングまで、レベルに合わせたコースで楽しめます。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 10月中旬~10月下旬
  • ライトアップ │ なし。
  • アクセス │ 車でのアクセスが基本。国道169号線から大台ヶ原ドライブウェイを利用。冬期(12月上旬~4月中旬頃)はドライブウェイが閉鎖されます。
  • 駐車場 │ 山頂のビジターセンターに約200台収容の無料駐車場あり。ただし、紅葉シーズンの週末は早朝に満車になることも多いため、早めの到着が必須です。
  • 料金 │ 無料。

静かに紅葉を愛でる。通が知る奈良の穴場紅葉スポット5選

正暦寺

奈良市南東部の山間に佇むこの寺は、約3,000本ものカエデが境内を埋め尽くし、その美しさから古くより「錦の里」と称されてきました。特に、客殿である福寿院の座敷から眺める庭園の紅葉は、まるで一枚の絵画のよう。アクセスが車中心で、紅葉シーズン以外は公共交通機関の便が少ないため、訪れる人も限られ、静かに紅葉を堪能できる最高の環境が保たれています。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月上旬
  • アクセス │ 車でのアクセスを推奨。西名阪道・天理ICから約20分。紅葉シーズン(11月中旬~12月初旬)には、JR・近鉄奈良駅から臨時直行バスが運行されます。
  • 駐車場 │ あり(70台、紅葉シーズン中は有料500円)。
  • 拝観料 │ 紅葉シーズンは大人800円。

円成寺

奈良市街から東へ車で約20分、柳生の里へと続く道沿いにある古刹です。楼門の前に広がる平安時代末期作の「浄土式庭園」は国の名勝に指定されており、秋になると池の水面に木々の紅葉が映り込む「逆さ紅葉」の風情ある景色を楽しめます。運慶の現存する最も初期の作品とされる国宝・大日如来坐像も必見。市街地の喧騒から離れ、心静かな時間を過ごしたい方におすすめです。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 10月下旬~11月下旬
  • アクセス │ JR・近鉄奈良駅から柳生方面行きバスで約30分、「忍辱山(にんにくせん)」下車、徒歩約2分。
  • 駐車場 │ あり(普通車20台、無料)。
  • 拝観料 │ 大人500円。

竜田公園

「ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは」

在原業平が百人一首で詠んだこの歌の舞台こそ、斑鳩町を流れる竜田川です。この川沿いに整備されたのが竜田公園で、古くから紅葉の名所として知られています。川面に映る紅葉や、水面を流れる落ち葉の様子は風情たっぷり。公園内には遊歩道が整備されており、川のせせらぎを聞きながらのんびりと紅葉散策が楽しめます。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月上旬
  • アクセス │ JR大和路線「王寺駅」から奈良交通バスで「竜田大橋」下車すぐ。法隆寺からも比較的近く、合わせて訪れることができます。
  • 駐車場 │ 周辺に無料駐車場あり。ただし台数が少ないため、公共交通機関の利用も検討しましょう。
  • 料金 │ 無料。

岡寺

日本最初の厄除け霊場として知られる、明日香村の丘に建つお寺です。境内は四季折々の花で彩られますが、秋にはモミジやカエデが一斉に色づき、明日香村では数少ない紅葉の名所となります。本堂奥から三重宝塔へと続く参道は、まるで「もみじのトンネル」のようになり、訪れる人々を魅了します。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月上旬
  • ライトアップ │ あり。「大和観音もみじ回廊」の一環として、2024年11月の特定の週末に夜間特別拝観が実施されます。
  • アクセス │ 近鉄「橿原神宮前駅」または「飛鳥駅」から周遊バス「岡寺前」下車、徒歩10分。
  • 駐車場 │ 寺の駐車場に至る道が非常に狭いため、運転に不慣れな方は麓の民営駐車場(有料)の利用が強く推奨されます。
  • 入山料 │ 大人500円。

壷阪寺

眼病封じの寺として信仰を集める高取町の山寺。境内からは大和三山や奈良盆地を一望できます。この寺の紅葉の最大の特徴は、天竺(インド)から渡来した巨大な大仏様(大釈迦如来石像)や三重塔といったエキゾチックな石造物と、日本の伝統的な紅葉が織りなす独特の景観です。夜間ライトアップでは和傘のアートなども加わり、他では見られない幻想的な世界が広がります。

スポット情報

  • 例年の見頃 │ 11月中旬~12月中旬
  • ライトアップ │ あり。2024年11月の特定の週末に実施予定。和傘と紅葉、大仏のライトアップは圧巻です。
  • アクセス │ 近鉄吉野線「壺阪山駅」からバスで約10分。
  • 駐車場 │ あり(約100台、有料500円)。
  • 入山料 │ 大人800円、高校生以下200円。

目的別で楽しむ!奈良の紅葉 特別な体験ガイド

奈良の紅葉の楽しみ方は、ただ名所を訪れるだけではありません。「夜の幻想的な風景を見たい」「絶景の中をドライブしたい」「写真映えする一枚を撮りたい」など、目的意識を持つことで旅はさらに特別なものになります。ここでは、検索キーワードとしても需要の高い「ライトアップ」「ドライブ」「インスタ映え」という3つのテーマに特化した楽しみ方をご提案します。

幻想的な夜間拝観。ライトアップが美しい紅葉スポット

日中の鮮やかな紅葉とは一味違う、幽玄で幻想的な美しさを楽しめるのが夜間ライトアップです。照明に照らされた紅葉は、闇の中に鮮やかに浮かび上がり、社寺の建築美を一層引き立てます。奈良では、秋の夜を彩る素晴らしいライトアップイベントが各地で開催されます。

2024年 奈良の紅葉ライトアップ開催情報

スポット名開催期間(2024年予定)時間料金(夜間)特徴
吉野山10月24日(金)~11月30日(日)16:30~22:00無料広範囲で実施。夜の山道に紅葉が浮かび上がる。
談山神社11月16日(土)~12月1日(日)日没~20:30頃通常拝観料と同じ十三重塔と紅葉のライトアップは必見。
室生寺11月の土日祝日中心17:00~20:00通常入山料と同じ五重塔と紅葉が闇に浮かぶ、静寂で厳かな雰囲気。
壷阪寺11/9,10,16,17,22,23,24~20:00通常入山料と同じ大仏様と和傘アートが加わり、異国情緒あふれる幻想空間に。
岡寺11/16,17,22,23,2417:00~21:00400円和傘の献灯やビー玉手水舎など、光の演出が見事。
等彌神社11月20日(水)~26日(火)【不明】【不明】水盤に映る「逆さモミジ」のライトアップが有名。

注意: 期間や時間は変更される可能性があります。お出かけ前に必ず各施設の公式サイトで最新情報をご確認ください。

車で巡る絶景。奈良のおすすめ紅葉ドライブコース

公共交通機関ではアクセスしにくい絶景スポットを効率よく巡ることができるのが、ドライブ旅行の醍醐味です。「奈良 紅葉 ドライブ」での検索需要に応え、テーマの異なる3つのドライブコースを提案します。

コース1:【若草山・奈良公園周辺コース】古都のパノラマと静寂の古刹を巡る

奈良市街地を起点に、まずは「奈良奥山ドライブウェイ」を駆け上がり、若草山山頂へ。ここから見下ろす奈良盆地と紅葉に染まる奈良公園のパノラマは絶景です。その後、ドライブウェイを下り、少し足を延ばして柳生の里方面へ。穴場スポットの「円成寺」で、静かな浄土式庭園と水面に映る紅葉を心ゆくまで堪能する、変化に富んだコースです。

コース2:【宇陀・曽爾高原パノラマコース】黄金のススキと深紅の紅葉を巡る

奈良の秋は紅葉だけではありません。このコースでは、まず「曽爾高原」を目指します。秋には高原一面がススキの穂で覆われ、太陽の光を浴びて黄金色に輝く様は圧巻です。夕暮れ時には「お亀池」周辺で「山灯り」イベントも開催され、幻想的な風景が広がります。その後、山深い「室生寺」を訪れ、国宝五重塔と紅葉のコントラストを楽しむ、自然の色彩を満喫するコースです。

コース3:【吉野・天川秘境コース】世界遺産と渓谷美を巡るアドベンチャー

奈良の南部、手付かずの自然が残るエリアを巡る上級者向けコース。まずは世界遺産「吉野山」へ。車で中千本や上千本エリアまでアクセスし、壮大な桜紅葉の景色を楽しみます。その後、さらに南下し、近畿随一の景勝地「みたらい渓谷」へ。エメラルドグリーンの清流と燃えるような紅葉が織りなす渓谷美は、ドライブの疲れを忘れさせてくれるほどの絶景です。

カメラは必須!思わずシェアしたくなる”インスタ映え”紅葉スポット

「奈良 紅葉 インスタ映え」というキーワードでの検索も多く、写真映えするスポットへの関心は非常に高いです。ここでは、誰もがカメラを向けたくなるような、特に絵になる風景が見られるスポットと撮影のコツをご紹介します。

浮見堂(奈良公園)

鷺池に浮かぶお堂と紅葉が水面に映り込む「リフレクション写真」の聖地。風のない早朝が狙い目です。

正暦寺

客殿「福寿院」の部屋の中から、窓枠を額縁に見立てて庭園の紅葉を撮影するのが定番。まるで一枚の日本画のような写真を撮ることができます。

みたらい渓谷

遊歩道にある吊り橋の上から、眼下に広がる渓谷と紅葉をダイナミックに切り取るのがおすすめ。広角レンズで臨場感を出すと良いでしょう。

長谷寺

舞台造りの本堂から見下ろす紅葉はもちろん、399段続く「登廊」の灯籠と紅葉を絡めた構図も風情があります。

等彌神社(とみじんじゃ)

ライトアップ期間中に見られる、手水舎や水盤に紅葉が映り込む「逆さモミジ」は、まさに幻想的。SNSで注目を集めること間違いなしです。

飛火野(奈良公園)

朝日が差し込む時間帯、木漏れ日の中で佇む鹿の姿は神々しささえ感じさせます。逆光をうまく利用して、シルエットを浮かび上がらせるのがポイントです。

奈良の紅葉狩り モデルコース提案

数ある名所の中からどこをどう回れば良いか迷ってしまう方のために、具体的なモデルコースを3つ提案します。移動手段や興味に合わせて、自分だけの旅の計画を立てる参考にしてください。

【1日満喫コース】奈良公園と周辺を巡る王道プラン(徒歩+バス)

奈良の魅力を凝縮した、初めて訪れる方にもおすすめの定番コースです。

午前

近鉄奈良駅をスタート。まずは「興福寺」の五重塔と紅葉を鑑賞。その後、猿沢池を散策し、ならまちの風情を少し感じながら南へ。「浮見堂」で美しい水辺の景色を楽しみます。

奈良公園の中心部へ移動。「春日野園地」や「吉城川沿い」で鹿と紅葉の風景を楽しみながら、東大寺方面へ。参道周辺でランチ。

午後

「東大寺」で大仏様を拝観。大仏殿の鏡池に映る紅葉も見事です。その後、二月堂へ登り、奈良市街を一望。最後に、原生林に続く参道が美しい「春日大社」を参拝してゴール。

【ドライブコース】奈良南部・絶景と秘湯を巡るプラン

車ならではの機動力を活かし、奈良南部のダイナミックな自然を満喫するコースです。

午前

明日香村の「岡寺」からスタート。もみじのトンネルを散策した後、車で吉野方面へ。

「吉野山」の中腹にある食事処でランチ。食後は高城山展望台などから山全体の紅葉を眺めます。

午後

吉野からさらに南下し、天川村の「みたらい渓谷」へ。約1時間ほどのハイキングで渓谷美を堪能。

夕方

旅の締めくくりは、名水の里として知られる「洞川(どろがわ)温泉」へ。レトロな温泉街を散策し、冷えた体を温泉で癒やします。

【公共交通機関コース】桜井・宇陀の古刹を巡るプラン

電車とバスを乗り継ぎ、歴史深い桜井・宇陀エリアの紅葉名所を効率よく巡るコースです。

午前

JR・近鉄「桜井駅」からバスに乗り、「談山神社」へ。十三重塔と紅葉の絶景を堪能します。

桜井駅に戻り、周辺でランチ。その後、近鉄大阪線で「長谷寺駅」へ移動。

午後

門前町を散策しながら「長谷寺」へ。舞台からの眺めを楽しんだ後、時間と体力に余裕があれば、近鉄で「室生口大野駅」まで移動し、バスで「室生寺」を目指します。静寂な山寺で、一日を締めくくります。

奈良の紅葉狩りQ&A

最後に、奈良の紅葉狩りに関するよくある質問にお答えします。旅の準備にお役立てください。

Q │ 奈良公園の紅葉を一番楽しむには?

A │ 早朝の時間帯が最もおすすめです。日中は多くの観光客で賑わいますが、早朝は人も少なく、静寂の中で朝日を浴びる紅葉と鹿が織りなす幻想的な風景を独り占めできます。特にカメラマンには絶好のシャッターチャンスです。

Q │ 混雑を避ける方法は?

A │ やはり平日に訪れるのが最も効果的です。週末しか行けない場合は、奈良公園などの人気スポットは早朝に訪れ、日中は本記事で紹介した「穴場スポット」へ足を運ぶのが良いでしょう。また、公共交通機関を利用することで、駐車場探しの時間や渋滞を回避できます。

Q │ おすすめの服装は?

A │ 11月の奈良は、日中と朝晩の寒暖差が非常に大きくなります。晴れた日の日中は暖かくても、日が暮れると急に冷え込むため、着脱しやすい上着やストールなど、重ね着できる服装が基本です。大台ヶ原やみたらい渓谷など山間部へ行く場合は、平地より気温が低いため、フリースや薄手のダウンジャケット、そして歩きやすいスニーカーやトレッキングシューズが必須です。

Q │ 子連れでも楽しめるスポットは?

A │ 「奈良公園」は、広大な芝生が広がり、お子様が走り回っても安心な上、鹿とのふれあいが楽しめるため、家族連れに圧倒的な人気を誇ります。また、「竜田公園」も川沿いの平坦な遊歩道が整備されており、小さなお子様連れでも散策しやすいスポットです。

Q │ 12月上旬でも紅葉は見られますか?

A │ はい、見られます。奈良公園、長谷寺、談山神社、正暦寺など、奈良盆地やその周辺の標高が比較的低い場所では、例年12月上旬頃まで美しい紅葉を楽しむことができます。山間部のスポットが終わった後でも、奈良の紅葉シーズンはまだ続いています。

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